きみの好きなところを数えたら朝になった。



「お前の部屋入ったの久しぶりだわ」

「あんま見ないでくんない?」

「あ、俺が取ったウサギいるじゃん!」

あれから毎晩のように一緒に寝ている抱き枕のウサギ。


これ以上色々なものを発見されたら恥ずかしいからキョロキョロと見渡す西崎を制止して、強制的にテレビの前に座らせた。

私の部屋はそんなに広くないからベッドとテレビとテーブルと本棚で成り立っている。

テーブルはベッドの横にあってゴロゴロして見るには絶好の配置。それなのに今は西崎の後頭部しか見えない。


「試合が終わったらすぐ出てってよ」

「分かってるって」

西崎は早速チャンネルを合わせてWBCを見始めた。試合はすでに始まっていてバシバシッと殴り合う音がする。


「……アンタってボクシング好きだったっけ?」

ボクシングって痛そうだし普通に苦手。見てるこっちがひやひやして手に汗握っちゃう。


「うん。普通に好き。ってか男は大体好きだよ」

「ふーん。昔だったらボクシングより野球の試合のほうが食いついてたのに」

「今のプロ野球は興味なくて。だったらまだ夏の甲子園のほうが燃える」

「へえ」

自分で聞いたくせに素っ気ない返事をした。


西崎もテレビに夢中で私の話を半分しか聞いてないみたいだし、雑誌でも読もうとベッドの上で開いてみたけど観客の歓声が気になって集中できない。