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――コンコンッ。
その日の夜。お風呂に入って部屋でゴロゴロしていると突然部屋のドアがノックされた。
お父さんかと思って返事をしないままドアを開けると、そこにいたのは西崎。
「な、なに?」
西崎が私の部屋を訪ねてくるなんて初めてだ。
そういえば居候のルールに無闇に私の部屋に近づかないことって項目もあった気がするけど、ルールを作りすぎて自分でも把握できていない。
「お前の部屋にテレビあるよな?WBC見ていい?」
……WBC?ああ、ボクシングか。
たしか世界フライ級タイトルマッチがどうのこうのって告知で見た気がする。
「え、普通にイヤだ」
私の返事は即答。
「マジで見せて!多分そんな長い試合にはならないと思うからちょっとだけ……!」
「なんでよ。リビングで見ればいいじゃん」
「おじさんにチャンネル権限奪われた。ボクシングじゃなくて野球の試合見るんだって」
……お父さん野球好きだからなあ。
私は全然興味ないから野球が始まるといつも自分の部屋に行っちゃうけど。
断っても引き下がらなそうな西崎に「はあ……」とため息をついて渋々部屋へと招き入れた。



