きみの好きなところを数えたら朝になった。



「すぐに部屋とか気まずいね。まあ、西崎はバカだけどそこら辺はきちんとしてるヤツだし大丈夫だよ」

「んー?大丈夫って?」

鉄分不足を補うための野菜ジュースをストローで啜る。


「だから他の人の家でヤったりはしないってこと」

「……っ!」

急にせっちゃんがとんでもないことを言うから普通に野菜ジュースが口から出た。

「もう、なにしてんの?」とせっちゃんはハンカチで私のスカートを拭いてくれたけど、私の頭はそれどころじゃない。


「待って待って。ヤるってなにを?」

それ本気で言ってんの?みたいな顔をされて、
それ以上の説明は求めなかった。

いや、私だって意味ぐらい分かるよ。分かるけどさ、それを西崎と桃香ちゃんで考えるのはどうなんだろうって話。

そりゃ、付き合ってるわけだしイチャイチャぐらいはしてたと思うけど、そんな生々しい想像まではしてなかったというか、なんていうか……。


「澪ってサバサバしてるくせに、そういうところは純情な乙女だよね」

「せっちゃん、私のことバカにしてるでしょ……」


たしかに私はそこらへんの知識がないまま17歳になってしまったことは否定しない。

みんなだんだんと大人の階段をのぼっていく中で、自分だけ置いてきぼりになってるような、そんな気分。

もしかしたら西崎も、私が思うよりずっとずっと色んな経験をしてるのかもしれない。


あんなにチビで戦隊もののベルトをして本当に変身できるって信じていた子どもだったくせに。