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まさか西崎にあんな可愛い彼女がいたなんて知らなかった。西崎はともかく、なんで桃香ちゃんが西崎を選んだんだろうと激しくそこは疑問に思うけど、一応西崎の顔はイケメンの部類に入るらしい。

釣り合わないって声はあんまりなくて、どうやらあのふたりはお似合いらしい。

……そうかな。私は全然お似合いとは思えないんだけど、あの美少女の心を掴んだ西崎にはそれなりの魅力があるんだろう。


「どっちから告白したの?」

「俺」

「なんて言ったの?どこで言ったの?っていうかよくそんな勇気あったね」

「グイグイ聞いてくんなよ」

「アンタいつも私に対してこんな感じじゃん」


その日の夜。色々と気になることが多すぎて黙ってるのも気持ち悪いからリビングで西崎を尋問中。

いつも人には質問攻めするくせに自分がされるのは苦手のようだ。


「っていうかさ、彼女の家に泊めてもらえばよかったんじゃないの」

付き合ってるなら最初に頼るべき人というか、順序で言ったら私はかなり遠い人物のはずなのに。


「いや、桃香ん家の親けっこう厳しい人らしいし、それにダメだろ。そこは一応」

「………」

正論というか、年下の彼女の家に図々しく上がり込むような男ではなかったことにホッとしつつ。

じゃあ、どうして私はダメじゃないんだろうか。

西崎の中で私はどんなポジションにいるか知らないけど、それを聞いたところでムカつく回答しか返ってこないだろうからあえて聞いたりしないけど。