きみの好きなところを数えたら朝になった。



「じゃあ岸田のことはいいとして」

ふと西崎の口調が変わった。


「あと居候のこと、もも……」

西崎が言葉を言いかけてすぐにドンッと後ろから誰かがやってきた。それは西崎と同じクラスの男子。


「西崎ー!今日もお前の頭いい匂いすんだろ?嗅がせろよ!」

そのままグイグイと西崎を押しながら肩に手を回す。

名前は知らないけど私のキライなタイプだ。すぐに調子に乗って声が無駄にでかいヤツ。この人もよく西崎といる友達のひとり。

すると視線はいつの間にか隣の私へ。


「あれ?たしか3組の……」

私は関心がこちらに向く前に西崎から離れて、
そのまま何事もなかったかのように歩き出す。


こういう面倒ごとを見極めるスイッチの素早さには自信があるんだ。

背後で不思議そうにする男子の顔が目に浮かんだけど、それでもまたバカな話を再開して笑い声が耳に響いてきた。

危ない危ない。今まで私が積み重ねてきた西崎との無関係な立ち位置が崩れるところだった。

それにしてもさっき西崎が言いかけたことはなんだったんだろう……。まあ、どうせ大したことじゃないと思うけど。