きみの好きなところを数えたら朝になった。



西崎は意外と手際がよくて泡がついた指先がなんだか新鮮。

後片づけをお願いしたのは私なのになんだか手持ちぶさたで、自然と濡れた食器をタオルで拭く作業をしていたら、いつの間にか西崎と連携プレーみたいになってて気まずい。


「おばさんも美人だったし」

まださっきの話が続いていたらしく、西崎はあっという間にお皿を洗い終えてしまった。

そういえば西崎ってうちのお母さんのことが大好きで、本当の親子のように仲良しだったから焼きもちを妬いていた時期もあった。


「あれから7年なんて早いよな。なんか時間の流れにちょっとビビるわ」

たしかに早い。

そういえばあの頃はまだ西崎も子どもで、小学4年生の暑い夏だったっけ。当時の夏の匂いとかセミのうるささとか窓際に吊るしてあった風鈴の音とか、かなり鮮明に覚えているのに、何故か一番悲しかった記憶は飛んでしまっている。

気づいた時にはもうお母さんは家に帰ってきていて、居間の畳の部屋で眠っていた。