きみの好きなところを数えたら朝になった。



――『あのさ、先輩が澪のこと好きだって気づいてないの?』

今日せっちゃんがヘンなことを言うからずっとそれが頭から離れなかった。先輩を友達と呼ぶのはおこがましいけど、先輩は私の尊敬している人のひとり。

だからふたりでいる時は色恋の話になったりはしないけど、あんな風に頭を触られたら胸はドキドキする。


でも私は恋がどんなものか知らない。

恋の始まりも終わりもまだ想像なんてできないけど、恋になる前の〝いびつなもの〟だったら少しだけ知っている気がした。


……ああ、そういえばそうだった。

だから私はアイツと幼なじみをやめたんだっけ。


「おかえりー」

家に帰ると、まるで自分の家のようにソファーでくつろいでいる西崎の姿。

ちょっとは遠慮ってものがないのかな。お父さんは家のスペアキーを西崎に渡したらしいけど、なんだかそれもまだ慣れない。


「今日おじさん遅くなるってさ」

そして私よりも密にお父さんと連絡を取らないでほしい。

私にはなんの連絡も来てないし、そもそも仲良すぎなんだよね。家でもずっとふたりで話してるし同性だから話が合うんだろうか。やっぱり西崎は色々と要領がいい。