きみの好きなところを数えたら朝になった。



「え?」と思わず私は聞き返す。

西崎から別れようって言った?西崎は桃香ちゃんにフラれたんじゃなかったの?


「でも桃香は最初から俺に気持ちなんてなかったわけだし、俺が繋ぎ止めてたようなもんだったから俺がフラれたことにしていいって俺から言った」

だから桃香ちゃん私のことをバカだって……。


色んな情報がありすぎて頭が整理できない。それでも西崎は私の手を強く握っていて、その暖かさは夢じゃなくて現実だ。


「気づいたんだよ、俺」

西崎の頭の上で大きな赤色の花火が打ち上がって、それは今の私たちの心の色に似てる。


「なんでお前から避けられたのが寂しかったのか。なんで迷惑だって知りながらお前の家に行ったのか。なんで繋がっていたかったのか」

「………」

「なんで俺、お前のことばっかり考えてたのか。それにようやく気づいた」

またバンッ!と花火の音。

それでも今はその音より西崎の声のほうが私に届く。  


「俺、雨宮のことだけはどうしても失えない」

西崎が再び私を抱きしめた。