きみの好きなところを数えたら朝になった。



楽しいお祭りなのに、何故か心は弾まない。

こうして見たかったもの、行きたかった場所にいくたびに私はアイツのことを思い出してしまうのかな。

……恋は本当に厄介だ。


家を掃除するみたいに掃除機で気持ちを全て吸いとれたらいいのに。

それができないから、みんな苦しいんだね。


ねえ、西崎。

こんなこと今さら言っても仕方ないけど、
諦めが悪くて自分でも情けないけど、


西崎は本当に私に対して一度も心が揺れ動いたことはなかった?

他の人とは違う。そんな特別な感情が一瞬でも、1秒でも、芽生えたことはなかった?

その時、憎らしいほどキレイな花火が空に打ち上がって、パラパラと火花が星屑のように落ちてくる。



「雨宮」

花火の音に混ざって聞こえた声。

ドクンドクンと心臓がうるさい。


聞き間違いに決まっている。考えすぎて幻聴が聞こえただけだ。

そう繰り返し思いながらも、私はゆっくりと振り向いた。