きみの好きなところを数えたら朝になった。



晩ごはんの支度を早めにして夕方になる頃には家にいてもお囃子の音が聞こえてきた。

さっきせっちゃんからのラインで松茸ごはんの列に並んでるってメッセージが届いてた。


……お祭りかあ。

少し迷って、それでも雰囲気だけでもと鏡の前に立つ。先輩から貰ったかんざしで髪の毛をおだんごにして、1回目、2回目は失敗。

3回目でやっとかんざしを使いこなすことができて、私はそのまま夕暮れの外に飛び出した。


太鼓や笛の音に導かれてお祭りの会場へと向かう。

知り合いに会ったらイヤだなって思ったけど、
この人混みなら気づかれなそう。

周りはカップルや家族連ればかりだったけど、
ひとりで来てる人も中にはいて心配するほど浮くこともなかった。


私は小さなリンゴ飴を買って、その甘さで頬っぺたが落ちそうになりながらお祭りの雰囲気を堪能する。

色んな食べ物の匂いと、子どもたちのはしゃぐ声。


すれ違った女の子が浴衣を着ていて羨ましく感じたり、お面なんて必要ないのにちょっと欲しくなって立ち止まってみたり。

松茸ごはんは案の定食べられなかったけど、もうすぐ花火がはじまるらしい。