きみの好きなところを数えたら朝になった。



***


街に秋祭りのポスターが貼られてから学校でもその話題で持ちきりだった。

私は祭りよりも今月末のテストのほうが心配。最近は勉強に身が入らなかったし気持ちを切り替えてそろそろ本気を出さなきゃマズイ気がする。


「ねえ、お祭り一緒に行かない?」

そんな決意した矢先に甘い誘惑。

須藤先輩と偶然渡り廊下でばったりと会って、挨拶もそこそこにすぐにお祭りへと誘われた。


――『俺にすればいいのに』

あの公園以降も顔を合わせればこうして普通に話す。


あのとき私は先輩を抱きしめ返すことができなかった。

心はひどく傷ついて、誰かに支えられてないと立ってるのも苦しいくらいだったのに、それでも先輩の気持ちに応えることができなかったんだ。

きっとあのとき甘えてしまえばラクになれたはず。

だけど……。


「ごめんなさい」

私はしっかりと先輩の目を見て言った。


「それはどっちの意味?お祭り?それとも告白の返事?」

「……どっちもです。私はやっぱり先輩とお付き合いすることはできないです」