きみの好きなところを数えたら朝になった。



それにしても今日は本当に楽しかった。いい買い物もできたし久しぶりに息抜きができた感じ。

そんな満足そうな私を見て先輩がニコリと笑った。


「よかった」

「え?」

「ここ数日の澪ちゃんは元気がないように見えたから」

たしかに私はあの公園以降ずっと上の空だった。学校ではなるべく出さないようにしてたけど、先輩がそれに気づいてくれていたなんて。


「……彼のことでしょ?」

先輩は優しさであえて名前は伏せていたけど西崎のことだってすぐに分かった。


「ひとりで抱えてるぐらいなら相談してよ。約束したでしょ?お互いに気を遣う関係はやめようって」

先輩の優しさにこれ以上甘えちゃダメだって分かってる。それでもこんな私を先輩は受け止めようとしてくれている。

私はぎゅっと唇を噛み締めた。


「……西崎に気持ちがバレました。バラしたのは私なんですけど」

「………」

「それからどういう顔で会ったらいいのか分からなくて。たぶん向こうも同じことを思ってると思います」


気まずいのは私じゃなくて西崎のほうだ。

だっていきなりワケも分からないままキスをされて。私の気持ちにいい加減気づいてよ、なんて投げ掛けるようなズルい言い方をして。

私に対して呆れたかもしれないし、引いたかもしれない。

もし、私がなんとも思ってない人からいきなりあんなことをされたら確実に殴ってると思うし。