きみの好きなところを数えたら朝になった。



よく恋心は錯覚だって言う。

例えば揺れるつり橋を渡ったことによるドキドキは、一緒につり橋を渡った相手へのドキドキだと勘違いして、それが恋愛感情だと思い込んでしまうらしい。

これは恋に違いないと錯覚して、そして相手のことを好きなんじゃないかと心に言い聞かせる。

そのぐらい人はすぐに恋だと勘違いする。


だったら一目惚れして付き合えると舞いあがってドキドキした西崎の恋は錯覚なんだろうか。

ずっと一緒にいて、いるのが当たり前で。他の男子には感じないドキドキが芽生えた私の西崎への気持ちも勘違い?

ううん、たしかにそれは恋だった。


大人から見たらきっと笑われるぐらい私たちの恋愛はいびつだ。目の前のことしか見えてなくて、恋に恋をして、そして色々と間違える。


――『なあ、雨宮はどう思う?』

そんな苦しくて一方通行の恋なんて、やめときなよ。

そんな言葉が喉の奥から出てきそうになったのは西崎に向けてじゃない。これは自分に向けて言って言葉。