きみの好きなところを数えたら朝になった。



***


「え?ごめん。ちょっと意味わかんない」

2年3組の教室は他のクラスに比べれば落ち着きはあるものの、やっぱりホームルームが始まる前のこの時間はガヤガヤと騒がしくなる。


「だから西崎が……西崎が昨日うちに泊まった」

周りに聞こえない声で私は口ごもる。


「マジで?どういう展開!?」

目を見開いて興味津々のこの子は親友のせっちゃん。ちなみに名前は瀬山ゆか。

せっちゃんとは中学から一緒で、たしか中学2年の長距離マラソンがきっかけで仲良くなって、それからは唯一私が心を許しまくっている存在でもある。


「いや、知らないよ。家が火事になって住めなくなったからっていきなりうちに来た」

「火事とかヤバくない?西崎全然元気そうだったけど」

「超元気だよ。それで私は超迷惑してる」

はあ、と深いため息をついて私は頬杖をついた。