きみの好きなところを数えたら朝になった。



もし10年後、甘酸っぱい思い出を振り返った時に私は真っ先に西崎への片想いを思い出すだろう。

それでお酒でも飲みながら『若かったよねー』と笑い話になってる未来なんて、今は全然想像もできないけど、後悔だけはしたくないと思った。

間違ってもいいのなら、突っ走ってもいいのなら、私は……。



「なんだよ、こんなところに呼び出して」

その日の夕方。私は学校帰りに家の傍の公園に来てほしいと西崎にメッセージを送った。

ふたりきりになれるのなら家の中でも同じだけど、外のほうが気持ち的に引き締まるような気がしたから。


この公園は遊具は3つと砂場があるだけの小さな遊び場で、休日は小さい子どもがいるけれど平日のこの時間帯は私たち以外に誰もいない。


「ちょっと西崎に話したいことがあって」

私がそう言うと西崎は躊躇なく同じベンチへと座った。


思えば西崎とこんな風に並んで座るのは久しぶりかもしれない。地面に映る西崎の影が大きくて、あんなに小さかったくせにいつの間に成長してしまったんだろうと染々考えてしまった。