きみの好きなところを数えたら朝になった。



「うるさいな、チャリは盗まれたんだよ」

私はイラッとしながら普通の歩幅に戻って、西崎よりも行儀が良い足音でスタスタと歩く。


「そういう運がないとこ変わんねーのな」

フッと西崎は鼻で笑ったあと、少し離れた私との距離を長い足で一気に詰めてきて今はまた私の隣。


「だってお前アレじゃん。小学校の自由研究の工作のやつ。ロッカーの上に飾ってあった雨宮の作品はいつも鈴木とか長谷部がふざけて必ずお前のだけ破壊されてたよな。はは、うん。そうだよ。思い出してきたわ」


西崎はケタケタとひとりで笑って、私は耳栓でもしてるかのようにその話はスルー。

むしろ私にとって笑える話じゃない。当時の鈴木や長谷部はなにをしてるか知らないけどアイツらもそういえば苦手だったな。

テンションが無駄に高くてキーキーと猿みたいだったし。


「本当、変わんないね」

繰り返すように西崎はそう言って、私は堪らずに西崎を置いて学校へと向かった。