きみの好きなところを数えたら朝になった。



基本的に私は早歩きでみんなからは「急いでるの?」って聞かれるぐらいなんだけど、今日のスピードはまるで亀のように遅い。

西崎がさっさと追い抜いてくれないかなって家からずっとこの歩幅で歩いてるんだけど、その西崎は追い越すどころか私と同じ亀並みの遅さで隣を歩いてくる。


「え、なんで?同じ学校じゃん」

こっちの気持ちも知らないで西崎はケロッとした顔。

西崎の歩き方は独特で、地面にかかとを擦りながらザッザッと行儀の悪い音を響かせる。そんなんだから靴底がヘンな風にすり減るんだよ。

しかも学校の上履きでもこの歩き方だから廊下を歩いてるとだいたい西崎がいるっていうのが分かるぐらい。


「同じ学校でも私と隣を歩くのは違うんじゃないかな」

上手く言えないけど、西崎と肩を並べて歩くのはなんか違う。そもそも私たちはそんな間柄でもないし。


「ふーん。よく分かんないけどお前ってこんなにノロノロ歩くヤツだったっけ?遅刻しない?っていうかチャリ通じゃねーの?」

でたでた、西崎の悪い癖。

すぐ話題を反らして、答える相手の気持ちなんて考えずにひとつの会話に何個も質問をぶちこんでくる。

変わんないね本当に。