きみの好きなところを数えたら朝になった。



時間と共に雨は激しくなるばかりで、このまま待っていても止みそうにない。

とりあえず上履きからローファーに履き替えて、水溜まりに変わっていく地面を見つめる。昇降口の屋根からは絶え間なく雨が滴り落ちてきて、一歩外に出ればびしょ濡れどころじゃ済まないだろう。

どうしようか考えて、ふと視線を変えると外を歩いている西崎を発見した。


「……西崎っ!」と私の呼び掛けが言い終わる前にその声は雨によってかき消される。

西崎の隣には桃香ちゃんの姿。

しかもふたりでひとつの傘を使っていて、西崎は桃香ちゃんの身体に雨がかからないように傘を傾ける。

お互いにニコッと見つめ合って、ふたりは仲良く一緒に帰っていった。


ズキンと胸に痛みが走った。

……なんなの。桃香ちゃんには西崎以外の男がいるかもしれないんだよ。

それなのになにも知らずにデレデレして、大事そうに桃香ちゃんのことを守ってバカみたい。


そんな黒い感情が沸々と沸き上がってきて、私は気持ちを隠すようにどしゃ降りの雨の中へと飛び出した。