きみの好きなところを数えたら朝になった。



そして放課後。お父さんが言っていたとおり雲行きが怪しくなって帰るころには外はどしゃ降りの雨になっていた。


「澪、まだ帰らないの?」

「ちょっとこの課題、職員室に提出してから帰る」

「そっか。じゃあまた明日ね!」

「うん。ばいばい」

一足先にせっちゃんが教室を出ていった。

外の部活動も休みになったからか生徒たちの帰るスピードがいつもより早い。私が職員室に寄って教室に戻る頃にはクラスには誰もいなかった。


……さてと。

私もそろそろ帰ろうと自分のロッカーに行くと〝あること〟に気づいた。それは今朝確実に持ってきたビニール傘がなくなっていること。

あれ、と周りを探してみても見当たらない。ロッカーの端に立て掛けておいたのに。


……そういえばクラスメイトの何人かが傘がないって騒いでたっけ。……やられた。絶対だれかに盗まれたんだ。


名前が書いてあったわけじゃないし、特徴のないただのビニール傘だから愛着もなにもないけど、この雨で傘がないのは困る。

一瞬フリーズしたみたいに固まってしまって、昇降口の傘置き場に残ってないか確認しに行ったけど残念ながら傘は1本もなかった。