きみの好きなところを数えたら朝になった。



先輩が泣きそうな顔をするから私まで泣きそうになる。胸がぎゅっと締め付けられて苦しかった。

自分でもどうにもできないもどかしい気持ちなら私も分かる。だって先輩は私と同じ目をしてる。


「ごめんね。困らせたいわけじゃないんだ。でも簡単には諦めたくない……」

こんなに余裕がない先輩を初めて見た。


「だからこれは俺のワガママだけど、まだ澪ちゃんに片想いさせて」

ベンチに座っている私たちの手は触れ合うか触れ合わないかギリギリの近さだったけど、先輩も私もそこから指を動かさない。

……どうして恋はこんなに複雑なんだろう。


西崎への片想いを経ち切れない私が先輩のことを拒否するなんてできなくて、気を遣い合う関係はお互いに苦しいだけだから、なるべく今までどおり接しようと約束した。