きみの好きなところを数えたら朝になった。



「ん?話って?」

先輩は分かった上で聞いているような表情だった。その優しさがまた苦しくて私は深く頭を下げる。


「……ごめんなさい。私、先輩とは付き合えません」

声が震えた。

告白の返事を断ることがこんなにツラいなんて知らなかった。なかなか顔を上げることができない私に先輩の声が響く。


「うん。そうかなって思ってた」

ベンチの背もたれにうなだれるように先輩が空を見る。


「もしかして澪ちゃん好きな人いる?」

「え……?」

先輩のまっすぐな視線が突き刺さる。嘘はつけないと思った。ここで誤魔化したら本気で告白してくれた先輩に失礼だと思ったから。


「……はい。います」

初めて自分の気持ちを認めたかもしれない。


「それって……」

先輩の言葉が言い終わる前にどこからか私たちの足元にボールが転がってきた。「すいませーん!」と向こうから走ってくる影。

「「あ……」」と私と〝西崎〟の声がハモる。