一体何が起きているのかーーディノはおかしな状況に息を切らしながら背中に人魚を庇った。
「それ人魚だろ。おまえが助けたんだって?」
「!君が…話したのか?」
「…ええ」
言葉少なに頷いた人魚は来てくれたディノに嬉しそうな笑顔を見せた。
「ディノ…彼女は魔物だ。どうするつもりだ?」
「彼女は何も悪いことはしていません!ただ仲間からはぐれていただけで…」
「へぇー?んで、こそこそ逢い引きしてたってわけか」
ぐっと黙り込んだディノは、マントの裾を握って首を振る人魚を振り返って注意を促した。
「人に見られては駄目だよ、人魚の肉は食べれば不老不死になるって言われてるんだ。殺されてしまう」
「不老不死ねー。そんな身体になったって良いことなんかほんのちょっとしかねえねどな」
「え…?」
事情を知らないディノが眉をひそめると、リロイはコハクの素性を悟られないために話を逸らす。
「僕たちは人魚をどうこうしたいわけじゃない。でもこうして会っていては駄目だと思う。君の行動が人魚を危険に晒すかも」
「見逃して…頂けるんですか?」
「もう会わないと約束してくれれば」
「そんな…」
人魚が悲しみのあまり涙を流す。
ラスは思わず人魚に近寄って手を握ると、人魚はその温もりに触れてラスに抱きついた。
「あーっ、ちょ、何してんだ!」
たとえ女でもラスに抱きつく者は許せない心の狭い魔王が叫ぶ。
「君を危険な目に遭わせたくないんだ。分かってくれ」
「王子様…」
普段あまり泣くことのないラスがもらい泣きしている姿に少しだけ心を痛めたコハクは、思いついた閃きににやっと笑い、息をつく。
「とりあえず王子様には退場してもらおうか。人魚のことは俺に任せろ」
…どうにも嫌な予感がするーー
リロイはコハクを注視しつつ帰路を促した。
「それ人魚だろ。おまえが助けたんだって?」
「!君が…話したのか?」
「…ええ」
言葉少なに頷いた人魚は来てくれたディノに嬉しそうな笑顔を見せた。
「ディノ…彼女は魔物だ。どうするつもりだ?」
「彼女は何も悪いことはしていません!ただ仲間からはぐれていただけで…」
「へぇー?んで、こそこそ逢い引きしてたってわけか」
ぐっと黙り込んだディノは、マントの裾を握って首を振る人魚を振り返って注意を促した。
「人に見られては駄目だよ、人魚の肉は食べれば不老不死になるって言われてるんだ。殺されてしまう」
「不老不死ねー。そんな身体になったって良いことなんかほんのちょっとしかねえねどな」
「え…?」
事情を知らないディノが眉をひそめると、リロイはコハクの素性を悟られないために話を逸らす。
「僕たちは人魚をどうこうしたいわけじゃない。でもこうして会っていては駄目だと思う。君の行動が人魚を危険に晒すかも」
「見逃して…頂けるんですか?」
「もう会わないと約束してくれれば」
「そんな…」
人魚が悲しみのあまり涙を流す。
ラスは思わず人魚に近寄って手を握ると、人魚はその温もりに触れてラスに抱きついた。
「あーっ、ちょ、何してんだ!」
たとえ女でもラスに抱きつく者は許せない心の狭い魔王が叫ぶ。
「君を危険な目に遭わせたくないんだ。分かってくれ」
「王子様…」
普段あまり泣くことのないラスがもらい泣きしている姿に少しだけ心を痛めたコハクは、思いついた閃きににやっと笑い、息をつく。
「とりあえず王子様には退場してもらおうか。人魚のことは俺に任せろ」
…どうにも嫌な予感がするーー
リロイはコハクを注視しつつ帰路を促した。

