直ちに客間に通されたコハクたちは窓から見える海を眺めながらそこから人魚の居る浅瀬が見えて、ラスが身を乗り出した。
「ちょっと遠くて見えないけど人魚さんが居るとこだよね!」
「ん、まだ居るぜ。人魚と人間ねー、ふーん」
何やら悪巧みをしていそうなコハクに注意しようとリロイが口を開きかけた時、足早に初老の優しそうな男と若くて利発そうなきりっとした顔立ちの男が入ってきた。
「これはリロイ国王陛下が何故このような辺境に…」
「訳あって今は王国を妻たちに任せています。ご領主、この辺りは魔物が出るのですか?」
新王国の初代王に敬語を使われて恐縮したふたりは、座って居るリロイの足元で片膝をついて敬意を表すと、頷いた。
「頻繁ではないのですが現れます。ですが私の息子が頻繁に討伐に出ておりまして、成果は出ております」
ラスは穴が開くほど人魚が王子と呼ぶ男を見つめていた。
明るい茶色の短い髪に背が高く気品もあり、王子という形容は合っている。
「こちらは私の一人息子でディノと申します」
ディノはあまりにも可愛らしく瞬きをせず見つめてくるラスに頬を赤らめ、コハクの反感を買って舌打ちされた。
「オレの天使ちゃんに色目使ってるんじゃねえぞ」
「あ、い、いえ私は…」
「コー、喧嘩は駄目」
「実は僕たち一晩の宿を探しているのですが…」
「!よろしければ我が家にご宿泊下さい!家内や家来たちも喜びます!」
「その討伐、よければ僕も参加させて下さい。少しでも魔物は減らさなければ」
「喜んで!」
ディノが目を輝かせる。
何せリロイは英雄王と呼ばれる傑物なので、共に戦えることを純粋に喜んでいた。
「コーも参加するんでしょ?」
「んん、そだな、珍しいもんが見れるかもしな」
ラスが喜ぶことはなんでもしたい。
そして人魚の生態も知りたいーー
一石二鳥にやる気スイッチが入っていた。
「ちょっと遠くて見えないけど人魚さんが居るとこだよね!」
「ん、まだ居るぜ。人魚と人間ねー、ふーん」
何やら悪巧みをしていそうなコハクに注意しようとリロイが口を開きかけた時、足早に初老の優しそうな男と若くて利発そうなきりっとした顔立ちの男が入ってきた。
「これはリロイ国王陛下が何故このような辺境に…」
「訳あって今は王国を妻たちに任せています。ご領主、この辺りは魔物が出るのですか?」
新王国の初代王に敬語を使われて恐縮したふたりは、座って居るリロイの足元で片膝をついて敬意を表すと、頷いた。
「頻繁ではないのですが現れます。ですが私の息子が頻繁に討伐に出ておりまして、成果は出ております」
ラスは穴が開くほど人魚が王子と呼ぶ男を見つめていた。
明るい茶色の短い髪に背が高く気品もあり、王子という形容は合っている。
「こちらは私の一人息子でディノと申します」
ディノはあまりにも可愛らしく瞬きをせず見つめてくるラスに頬を赤らめ、コハクの反感を買って舌打ちされた。
「オレの天使ちゃんに色目使ってるんじゃねえぞ」
「あ、い、いえ私は…」
「コー、喧嘩は駄目」
「実は僕たち一晩の宿を探しているのですが…」
「!よろしければ我が家にご宿泊下さい!家内や家来たちも喜びます!」
「その討伐、よければ僕も参加させて下さい。少しでも魔物は減らさなければ」
「喜んで!」
ディノが目を輝かせる。
何せリロイは英雄王と呼ばれる傑物なので、共に戦えることを純粋に喜んでいた。
「コーも参加するんでしょ?」
「んん、そだな、珍しいもんが見れるかもしな」
ラスが喜ぶことはなんでもしたい。
そして人魚の生態も知りたいーー
一石二鳥にやる気スイッチが入っていた。

