人魚は陸に上がることはできない。
そのためコハクたちだけで城に向かうことになり、角度のある道を歩きながら伝説の生き物に会えたことをラスは無邪気に喜んでいた。
「人魚さんとっても可愛かったね!」
「でもその王子様とやらがあの人魚をどうするつもりなのか気になるな」
常に油断なく物事を考えるリロイが坂をつらそうに上るラスに手を伸ばすと早速コハクの手刀で落とされる。
「まあ人魚なんか見たら魂奪われるか、食って不老不死になろうとするか、見世物にするかのどれかだろうな」
「え、でもコー…人魚さんは王子様のこと好きなんでしょ?恋人同士になれないの?」
「や、だって…下半身魚じゃん」
「うん、だから?」
…心が汚れきっている魔王は無言でラスをぎゅっと抱きしめて息をついた。
「や、なんでもありません。そだな、足があればいいのか」
「魔王、妙なことを考えるなよ」
リロイに釘を刺されたが無視して歩き続け、観音開きの大きな鉄製の扉の前に着いた面々は、両サイドに立つ門番に声をかけた。
「すみません、ご領主にお会いしたいのですが
」
「失礼ですがお名前…は……」
門番がリロイを凝視する。
鎧には最近興った新王国の紋章が刻まれ、その金の髪に碧い瞳ーードラゴンに乗って人々を導いた勇者…
「あなたは…リロイ国王陛下では…!」
「ええそうなんですが、今は仲間と共にやるべきことがあり旅をしています。お会いできますか?」
「は、はい今すぐお伝えして参ります!」
リロイはゴールドストーン王国のサポートを得て新王国の初代王としてその名を世界に轟かせた。
ドラゴンとはもちろんラスのいうドラちゃんなのだが、リロイが国王に起った時それもきっと役に立つだろうと敢えて否定はしていない。
「会えそうでよかったね」
面白くないコハクは鼻を鳴らしたが、ラスは密かに人魚と王子と呼ばれる男のキューピッド役になろうと奮起していた。
そのためコハクたちだけで城に向かうことになり、角度のある道を歩きながら伝説の生き物に会えたことをラスは無邪気に喜んでいた。
「人魚さんとっても可愛かったね!」
「でもその王子様とやらがあの人魚をどうするつもりなのか気になるな」
常に油断なく物事を考えるリロイが坂をつらそうに上るラスに手を伸ばすと早速コハクの手刀で落とされる。
「まあ人魚なんか見たら魂奪われるか、食って不老不死になろうとするか、見世物にするかのどれかだろうな」
「え、でもコー…人魚さんは王子様のこと好きなんでしょ?恋人同士になれないの?」
「や、だって…下半身魚じゃん」
「うん、だから?」
…心が汚れきっている魔王は無言でラスをぎゅっと抱きしめて息をついた。
「や、なんでもありません。そだな、足があればいいのか」
「魔王、妙なことを考えるなよ」
リロイに釘を刺されたが無視して歩き続け、観音開きの大きな鉄製の扉の前に着いた面々は、両サイドに立つ門番に声をかけた。
「すみません、ご領主にお会いしたいのですが
」
「失礼ですがお名前…は……」
門番がリロイを凝視する。
鎧には最近興った新王国の紋章が刻まれ、その金の髪に碧い瞳ーードラゴンに乗って人々を導いた勇者…
「あなたは…リロイ国王陛下では…!」
「ええそうなんですが、今は仲間と共にやるべきことがあり旅をしています。お会いできますか?」
「は、はい今すぐお伝えして参ります!」
リロイはゴールドストーン王国のサポートを得て新王国の初代王としてその名を世界に轟かせた。
ドラゴンとはもちろんラスのいうドラちゃんなのだが、リロイが国王に起った時それもきっと役に立つだろうと敢えて否定はしていない。
「会えそうでよかったね」
面白くないコハクは鼻を鳴らしたが、ラスは密かに人魚と王子と呼ばれる男のキューピッド役になろうと奮起していた。

