朝が来て目覚めると、いつものようにコハクの腕の中。
腕から抜け出したラスは、火の番をしていたリロイに声をかけた。
「リロイおはよう。寝てないの?」
「うん、でも大丈夫だよ。ラス、あっちに泉が沸いてたから顔を洗って来たら?」
「うん、わかった」
珍しく起きないコハクを置いてリロイが指した方へ行くと、小さいが泉があり、顔を洗うより身体を洗いたいラスは頓着なくワンピースを脱いでその中に入った。
「冷たくて気持ちいい…」
旅をしていた仲間は散り散りになっていた。
連絡は取っているが、コハクからは自分たちは歳を取ることがないが彼らは等しく歳を重ねて行くから無理に会おうとするな、と言われていた。
「みんな、先に死んでく…」
それを深く考えたことはなく、ただコハクと生きていたいからーーシンプルな理由で不死の魔法を受け入れた。
コハクはもう何百年も人と出会い、別れ、そして悲しみ…魔王と成り果てた悲しき男。
本当は優しくて世話好きな男。
そうでなければ魔物から悪の要素を取り除いて街を作らせ、守らせることなど思いつきもしないはず。
「チビー、どこ行ったー?」
「コー、ここだよ」
追ってきたコハクに手を振ると、朝からラスの全裸を見て固まったコハクは、リロイが見てないかさっと視線を走らせて背中に庇うようにして座って守った。
「朝からありがとうございます!」
「何が?コー、これからどうするの?」
「あー、海沿いに出て港町に行こうかと思ってんだけど。あそこにも魔物が出るらしいからな」
「ふうん。海…泳いでもいい?」
「喜んで!」
水音を立てて立ち上がると、清潔なバスタオルで身体を包んでやったコハクは、赤い瞳を細めてこの世で最も美しいと思うラスの緑の瞳を覗き込んだ。
「なんか、懐かしいよな」
「うん、私もそう思う。コー、ご飯食べよ、お腹空いた」
永遠に生きて行くことの辛さーーそれを分かち合うためにこの男の側にいると決めた。
だからこの先リロイやティアラたちの死に目に立ち会うことがあってもきっと後悔しない。
きっとーー
腕から抜け出したラスは、火の番をしていたリロイに声をかけた。
「リロイおはよう。寝てないの?」
「うん、でも大丈夫だよ。ラス、あっちに泉が沸いてたから顔を洗って来たら?」
「うん、わかった」
珍しく起きないコハクを置いてリロイが指した方へ行くと、小さいが泉があり、顔を洗うより身体を洗いたいラスは頓着なくワンピースを脱いでその中に入った。
「冷たくて気持ちいい…」
旅をしていた仲間は散り散りになっていた。
連絡は取っているが、コハクからは自分たちは歳を取ることがないが彼らは等しく歳を重ねて行くから無理に会おうとするな、と言われていた。
「みんな、先に死んでく…」
それを深く考えたことはなく、ただコハクと生きていたいからーーシンプルな理由で不死の魔法を受け入れた。
コハクはもう何百年も人と出会い、別れ、そして悲しみ…魔王と成り果てた悲しき男。
本当は優しくて世話好きな男。
そうでなければ魔物から悪の要素を取り除いて街を作らせ、守らせることなど思いつきもしないはず。
「チビー、どこ行ったー?」
「コー、ここだよ」
追ってきたコハクに手を振ると、朝からラスの全裸を見て固まったコハクは、リロイが見てないかさっと視線を走らせて背中に庇うようにして座って守った。
「朝からありがとうございます!」
「何が?コー、これからどうするの?」
「あー、海沿いに出て港町に行こうかと思ってんだけど。あそこにも魔物が出るらしいからな」
「ふうん。海…泳いでもいい?」
「喜んで!」
水音を立てて立ち上がると、清潔なバスタオルで身体を包んでやったコハクは、赤い瞳を細めてこの世で最も美しいと思うラスの緑の瞳を覗き込んだ。
「なんか、懐かしいよな」
「うん、私もそう思う。コー、ご飯食べよ、お腹空いた」
永遠に生きて行くことの辛さーーそれを分かち合うためにこの男の側にいると決めた。
だからこの先リロイやティアラたちの死に目に立ち会うことがあってもきっと後悔しない。
きっとーー

