「それは無理に等しいな。内容が難しいから」
「またそうやって人のことバカにして……よくないよ? そういうの」
レジーナは親が子供を叱るように言った。
いつも知由が説明を求められたときに、絶対に言うセリフ。
人を見下したような目をして、相手を見るのもセットだ。
誰もが、それを見て苛立つようなものだ。
だが、今は違った。
知由の表情は、知由にしては珍しく、本当に自信なさげだった。
それに気付かなかったから、レジーナはああいう説教じみたことを言ったのだ。
「落ち着いて、レジーナさん。レジーナさんが言うことは正しいです。でも、今回の事件は間違いなく複雑なんです。とても、九歳のちぃちゃんにわかりやすく説明出来るとは……」
すかさず雪兎がフォローする。
「じゃあ、見てきたあなたたちがしてよ」
「それは……」
雪兎だけじゃない。
一弥も海も、目をそらした。



