「三神君、少し話したいことが……」



翌日の昼休み、三神君に話しかけたら、私とは真逆で綺麗で可愛い女子生徒が睨んできた。



「ここではできない話?」


「……うん」



この流れを見てる人たちは、告白だって勘違いしているんだろうな。


あながち間違ってないけど。



だから、周りにいる女子の視線がさらに厳しくなる。



でも、逃げるわけにはいかなくて、私はなんとか人気のない西階段のそばに来た。



「それで?告白なら悪いけど……」



私が立ち止まったと同時に、三神君は気だるげにそう言いかけた。



「違うの。えっと、説明すると長くなるんだけど……」



私は三神君の言葉を遮ったはいいけど、語尾を濁した。



「なら、要点だけでいい」



要点……



「私の偽カレをしてもらえませんか?」



一番言いたいことを、簡潔にまとめて、一息に言ってみた。



すると、三神君は……



「嫌だ」