目が覚めたら、朝の五時だった。



普段起きるより、三十分早い。


かといって、二度寝したらもう起きられなくなるし……



すると、部屋の外で物音がしたような気がした。


お姉さんを起こさないようにそーっと部屋を出る。



「おはよう、花ちゃん。早いのね」



すると、台所に立っていた三神君のお母さんが私に気付き、優しく微笑んだ。



「おはようございます。朝食の準備ですか?」


「久々に千秋の弁当、作るからね。それに、花ちゃんの分も」


「そんな、手伝います」



昨日もごちそうになったし、このまま帰るのもなんだか気が引ける。



「そういえば、花ちゃんは料理が得意だったわね。ぜひ、食べてみたいわ」


「え?」


「ここ、任せてもいい?私、実はまだ眠たくて」



まさかの全パス。



お母さんは大きなあくびを一つした。


本当に早起きしたんだろう。