一生、片想い

その約束が果たされるのを恂くんは今もずっと信じている。







恂くんは今日も二人のデートの待ち合わせ場所で待っている。







2月の寒空の下、手を凍えさせながら待っている。







私はそれを5メートル位離れた場所で見守っている。








ふと、見上げた夜空からは白い粉が降って来る。





「雪だ・・・。」






恂くんを見てみるとさっきの私と同じように空を見上げている。







恂くんは空を見ていた視線を戻すとゆっくり立ち上がった。