一生、片想い

私はそう告げて、いつもの答えが返ってくるのを待っていたのに。






何故か今日の恂くんは、思い詰めた顔をしたまま何も言わない。






「恂くん・・・?」





そう呼ぶと恂くんは悲しそうな顔をして、口を開く。






「こんな事、山井に言うの卑怯だけどさ。

聞いて。


分かってるんだ、俺。

こんな事ずっとしてても、麗(うらら)は来ないって。


麗の母さんは俺に

『あの子はきっと、恂くんが幸せになるのを望んでるの。

あの子を・・・麗を過去にして、前に進んであげて。』


って、言ったんだ。」






そうして、恂くんは切なく、儚く微笑む。