「先輩、甘えるってなんですか?」

「じゃあ、ちょっと人のいないところに行こっか。」




「うん。」




「じゃあ、お兄ちゃん後でねー。」





「おぅ。後でなー。」





教室の前で鳳駕と分かれて、私達は屋上に来ていた。




今日だけ特別に屋上が空いている。




でもちょっと寒くて人は少ない。




私達はフェンスに背中をつけて座った。





「それで、相談って何?」




「それがね、・・・・・・この前から急に心臓がギューッと痛くなるの。なんでかな?風邪かな?」




「風邪?・・・・でも熱ないよ?」




「だよね。」




すると実乃里がなにか閃いたように私を見た。




「ねぇねぇ、その心臓が痛くなるのって何してた時?」




なんだっけ?




最初になったのは、昨日だから・・・・・




「廊下で看板作ってて、鳳駕が来て、くるみ先輩が来て、鳳駕が呼ばれて通り過ぎた時?」




「後は?」




「えっと・・・・・・・鳳駕のクラスに行って、パンケーキ待ってる時に鳳駕のこと見てたら痛くなった。それと、くるみ先輩来た時。・・・・・え?私、くるみ先輩嫌いなの!?」




「えーーー!?何でそうなるの!?」




え?




違うの?





じゃあ、どうして?




「もしかして、沙代気づいてないの?」




「何が?」




「あー、こういうの疎いのかーー。天然爆発してるなーーー。」




実乃里が言うことが分からなくて首を傾げる。