「先輩、甘えるってなんですか?」

「へー。」



「興味なさそうだね。」




「まーね。」




「はいはい。ってか、沙代だって結構変わったからな。俺だけじゃないぞ。」




「そう?まぁ、・・・・・・嫌いな自分から少しでもよくなれたらそれでいいかな。なーんてね。」




私の言葉に鳳駕は何も言わず頭を撫でた。




「じゃあ、そろそろ戻るか。」




「うん。実乃里に謝らなきゃ。」




「おぅ。謝ってこい。」




そう言った鳳駕は私の知っている鳳駕だった。




でも、またクラスに戻ったらくるみ先輩が鳳駕の近くに来るんだろうか。




私は頭で考えるより先に鳳駕の名前を呼んでいた。





「鳳駕!!」




「ん?」




「えと、鳳駕は、・・・くるみ先輩のことどう思ってるの?」




私の言葉に一瞬鳳駕は考えるようにして、





「・・・・友達?クラスメイト?じゃない?」





「そ、うか。そうだよね。ごめん。変なこと聞いて。」





そりゃそうだよね。





でも、もしかしたらって、考えてた。




そんな私をみて鳳駕が笑った。





「そんなこと考えなくていいから。ほら、行くぞ。」




それだけ言って鳳駕が先を歩く。




私はその後を追う。




クラスの前に行くと、実乃里がスマホを片手に立っていた。




「実乃里!」




私が呼ぶと実乃里が嬉しそうな顔で走ってきた。