「先輩、甘えるってなんですか?」

「そりゃ変わるものだってたくさんあるよ。大人になってるんだから。でも、全部が変わっていくんじゃない。変わらないものだって絶対あるよ。」




鳳駕がそう言い放った。




変わらないもの?





「例えば?」




「・・・・・・今までの思い出、時間、友達。色々あるよ。もちろん、沙代もね。」





「わたし?」




「うん。今までもこれからも、大事な存在ってことは変わらないだろ?」



その言葉に、私はドンッと背中を押された気がした。




「変わらない、の?」




「俺は変わらないよ。だから、沙代もそれは変えないでよ。お互い、大事な存在でありたい。」




あぁ、だから困るんだ。




鳳駕の言葉は嬉しいけど、真っ直ぐで直接私の心に入ってくるから。




「・・・・・うん。でも、なんとなく解決した気がする。」




「そう?まぁ、高校一年目なんて悩みばっかりだよ。気にすることない。」




「鳳駕も悩んだの?」




「そりゃもちろん。」