「先輩、甘えるってなんですか?」

ロッカーの中に帽子を置くと、私達は鳳駕のクラスに向かった。




ちょうどお昼だからか人がたくさんいた。





「これは入れるかなー?」




実乃里が教室を除くと、





「二名様ですか?」





頭の上から声が降ってくる。





「はいそうですって、お兄ちゃん!?」





「あははは。びっくりーって感じ?ほら、後ろつっかえるから早く入れよ。」





ぐいっと私と実乃里を引っ張る鳳駕。





席に案内されて座ると、実乃里が興奮したように言った。




「お兄ちゃんその格好どうしたの!?」





「これ?店員ですよ。」





鳳駕は制服に黒いエプロンを腰に巻いて、髪はワックスで少しだけいじって耳のところをピンで留めている。




「これは・・・・・・いや、なんでもない。」





実乃里が何か言いかけたけど最後まで言わなかった。




「それで、何にするの?」




「じゃあーーー、私はサンドイッチ。沙代は?」





「私はパンケーキ。鳳駕の奢りで。」





「はいはい。分かってるよ。後で俺が払うから、二人分。でわ、少々お待ちください。」





そう言って行ってしまった。