「先輩、甘えるってなんですか?」

私は午前中にシフトが入っているから午後は自由。




「実乃里ー?着替えるの手伝ってー。」




「はーい。おぉー!似合ってるねー、沙代。」




「本当?ありがとう。」





「私はどう?」





「似合いすぎてなんも言えないよ。本気だね。」





「もちろん!マントつけるから後ろ向いてー。」





実乃里に魔女のマントを付けてもらう。





頭には魔女の長い帽子。




衣装は黒と紫の膝丈位のスカートに黒のマント。





ところどころにスパンコールとラメが入っている。





「よしっ。おっけー!」




「ありがとう。」





「じゃあ、私脅かす方だから打ち合わせしてくるね!!」





実乃里はお化け屋敷の中で脅かす役になって、私は受付。





だって、長時間も脅かすなんて疲れるしめんどくさい。





実乃里は絶対泣かせてやるって張り切ってる。




「沙代ちゃーん。受付準備おねがーい。」





「はーい。」





同じ受付を担当する友達に呼ばれた。





「机ここに持ってきて、後は座るだけー。」





「楽だねー。」




「だよなー。」




席が隣で、私が同級生の男の子の中で一番仲のいい友達。




気安く話しかけてくれるから、話しやすい。





「このライトを渡せばいいんだよね?」





「そーそー。ってかその衣装似合ってんね。」




「本当?ありがとー。透里(とおり)君もにあってるよー。」





「おっ、嬉しいこと言ってくれるじゃーん。」