「先輩、甘えるってなんですか?」

「もうー、何すんの?」




「別にー。なんでもなーい。」




そう言いながら、私の顔が髪の毛で隠れるようにしてくれてるの、私はずっと分かってる。




鳳駕には私の心が見透かされてるみたいで、だから上手く言葉が出てこないんだ。




鳳駕の目は私の全てを知っているみたいで。




でも、私はそんな鳳駕の態度に気づかなふりをしてる。




「まーさ、たまには沙代の心の声でも聞いてあげようかなーって思ってさ。いいお兄ちゃんだろ?」




「もう少し妹に優しいお兄ちゃんならいいなー。私のことをからかわない人になってほしいなー。」




「俺優しいわ!!まぁ、いじるのは俺の仕事だし。」




「そんなの仕事っていいませーん!」




「はいはい。ほら、続き始めるぞ。」




「うん。やる!」



また勉強を再開した。




鳳駕が分からないところを教えてくれた。




やっぱりこういう時は頼りになる。