「先輩、甘えるってなんですか?」

私は思わず立ち上がった。




そのまま固まって、鳳駕を見ていると、





「立ち上がった次はこうじゃない?」





そう言って、私のことをギュッと抱きしめた。




鳳駕が立ち上がったから、私の顔が鳳駕の胸にあたって、心臓の音が聞こえる。




それに安心して、私はまた泣いてしまった。




その間鳳駕は優しく頭を撫でてくれた。




背中にある鳳駕の手が離れないのが嬉しくて、




通じた想いが嬉しくて、




私はもっと強く抱きしめ返した。




「あははっ!!嬉しすぎるんだけど。どうしよ、俺。」




「、、、、、、私も嬉しい。だってもう、振られると思ったから。」




「俺はずっと、紗代がお母さんとちゃんと話したら俺から告白するつもりだったよ。だから、あの時断ったんだ。すぐにでも俺もって言いたかったけどね。」




始めて知った、鳳駕の思い。




どこまでも私思いすぎて、優しすぎて、胸が痛い。




嬉しくて、感謝しても足りない。




「ありがとう、鳳駕。」




「俺の方こそ。ありがと、紗代。」