「先輩、甘えるってなんですか?」

「はーい。」




緊張で頭が真っ白になりながら、ドアを開けた。





鳳駕は部屋の片付けをしている最中だった。





「おー、紗代か!珍しいじゃん!」




「う、ん。そうだね。」




「今ここ片付けるから座っていいぞー。」




ベッドの上に置いてた荷物を床に置くと、私はそっと座った。




鳳駕が机の椅子に座って、私を見る。





どう切り出そうか考えていると、




「お母さんと、話したか?」




そう言われて、今日のことを思い出していた。




ご飯食べてる時が嬉しくて忘れていたけど、今日お母さんと話したんだった。




「うん。謝ってくれた。今日、千裕と公にも話すって。離婚したこと。」





「そっか。」




「でもね、私心狭いのかもしれない。」





「なんで?」





「だって、謝られても、まだ完全に許していないの。消えてないよ。お母さんが言った言葉。」