鳳駕が追いかけてくれたのは嬉しいけど、正直今は顔を見たくない。





こんな惨めな自分を見てもらいたくない。





「・・・・・なに、鳳駕。」





「ごめん。・・・・・・・沙代の気持ちに今は答えられない。」






「うん。聞いたって!!さっき。何度も言わなくていい・・・・・・。」






「あぁ。・・・・・・・・・・・でも、俺は沙代のこと大事に思ってる。嫌いになんてならない。・・・・・・・言ってる意味分かるか?」






それは、





付き合えないけど、幼なじみっていう関係は続くってことでしょ?





だから、これからもよろしくってことでしょ?





「うん。分かるよ。・・・・・・・ありがと。そう言ってくれて。」






「あぁ。・・・・・沙代、ちゃんと解決だけはしろよ?」






「うん。いつかね。」





それだけ言って私は家に入った。





お母さんはいなかった。




自分のベッドに飛び込んで私は流れ出てくる涙を必死に止めた。





お母さんと話し合わなきゃ。




なんて言おう。




鳳駕に振られた。





また幼なじみに戻る。





好きって、特別な好きを持っちゃいけないんだ。




分かってる。




この気持ちを閉じ込めて。




好きって気持ちを閉じ込めて。





素直になると、





私はどうやら傷つくらしい。




だから、




私は鳳駕に抱いたこの気持ちに鍵をかけて、今までと同じように生きていかなきゃ。




そう、思って私はまた眠りについた。








両思いは思ったより難しいらしい。