私は、ただ鳳駕を見ていた。




でも、なんか言わなきゃ。




何を?




混乱する頭で考えた言葉は、






「そっか。・・・・・ありがとう。言ってくれて。」





これだけ。





私はバッと、ベッドから起き上がると一気に階段を駆け下りて外に出た。





雪が降ってるとか、寒いとか、そんなこと感じなかった。





ただただ、空を見上げて、





流れ出てくる涙を止めようとした。





両思いって、難しいんだ。




もう、




恋なんてしたくない。





好きなんて、言わなきゃよかった。





後悔したくないから、後悔しないようになんて無理だ。





結局、結果が分かったら後悔するよ。





悲しいよ。





すると、後ろから誰かが走ってくる音。





「沙代っ!!!!」





鳳駕が私の腕を後ろから引っ張る。