じゃあ、知らない間にまた迷惑かけてたんだ。




そんなことも知らないで、私はまた、





「迷惑なんて思ってないからな。」




「え?」




「俺が勝手にしたことだ。気にすんな。それより俺は、沙代が心を開いてくれたことが何より嬉しい。」




そう言って、今日いちばんの笑顔を見せてくれる。




優しい鳳駕の笑顔。




その笑顔が、私だけに向けばいいのに。




なーんて、そんな時に思うことは不謹慎かな?




「沙代?」




ううん。




今日だけだから。




素直になれたから。




だから、ちゃんと鳳駕に伝えたい。




「ちょっ、沙代お前ふらふらしてるけど大丈夫か!?」




「え?」




自分では分からない。




けど、ちょっと暑いかも。




鳳駕がそっと私の背中を支える。




「ごめん。・・・・風邪かな?ずっと外にいたから。」





「そんなの、寒くて風邪引くに決まってんじゃん。とりあえず今日はもう寝ろ。」




そう言って私をゆっくりベッドに寝かせる。