「私だけだったんだ。前みたいに戻れるとか、ごめんって言ってくれるかもとか、そんなこと思ってたのは。悔しくてっ、悲しくてっ!!・・・・・だから、早く行ってって。どこかに行けって言っちゃった。・・・・・お父さんとはそれっきり。」





そう。




本当に、あっさり終わった。




「・・・・・・沙代。手、叩くのやめろ。」





そう言って赤くなった私の手を鳳駕の手が止めさせる。




「自分だけは、傷つけんな。」




「・・・・・・そんなの、もう遅いよ。十分だよ。両親に、私はいらないって言われたんだから。」




そう言うと、鳳駕がパッと顔を上げて私を見る。




「その後、お母さんが帰ってきた。お父さん行っちゃったよって言ったら、あぁそうだって。お母さんも何も言わなかった。いなくなって当然でしょ?みたいな。軽かった。おかしくて笑いそうになったよ。」





「沙代、「またっ、私だけ。私だけが信じてたんだって。」




鳳駕の言葉を遮って私が続ける。