「大丈夫だ。お前がそんなに心配しなくても。俺がどうにかするし。」




俺に出来ることなら、沙代のことを助けてやりたい。




俺がそう言うと実乃里が呆れた顔で言った。




「お兄ちゃん、・・・・・・沙代のこと大好きだもんね。いつ告白するの?」





は?





なに?






「私が気づいてないと思った?バレバレだよ。お兄ちゃんわかりやすいもん。沙代に恋してるのなんてとっくに気づいてるんだからね?」





恐るべし、妹。





「マジかよ。・・・・うわーー。妹にバレてたとは。」





「ふっふっふー!妹の目を甘く見るなよ!!」




実乃里がいつもの調子に戻ってきた。




うん。




それでいいんだ。




「実乃里はそうやって笑ってればいいんだよ。細かいことは俺がやるから。沙代の隣で、笑ってやれ。いつも通りな。」




実乃里の頭をポンッと撫でると実乃里が笑った。




「うん。わかった。」




「おぅ。じゃあ、お前教室戻れ。」





「うん。」




実乃里が歩き始めて、急に立ち止まった。





「・・・・・沙代のこと、大事にしてよ。」





真面目な顔で言われた。




そんなの、





「当たり前だよ。沙代のことならちゃんと分かってる。」




そう言うと満足したように実乃里が戻っていった。