恋と友情、あなたならどちらを選びますか?




誠が教室へ戻ると、授業開始まで5分を切っていた。

成海は違うクラスのためすでに自クラスへ帰った様子だった。

5時間目が始まり、誠は睡魔に襲われ負けそうになるも、6時間目の終わりまで下を向いて眠ることはなかった。




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「誠ー!今日男バス外周だから半面使えるって!」

「ほんと?やったー。
でも、何で男バス外周なの?」

「新入部員に体力つけさせるんだって。
2、3年も巻き込まれてるし、ドンマイって感じ〜。」



橘希美(たちばな のぞみ)
同じく2年女子バスケ部。
後ろで1つに束ねられた髪がふわりと揺れるたび、希美の可愛さを引き立たせている。
誠とクラスは別だが、自他共に認めるほど仲が良い。バスケの相性も最高だ。


「それは確かにドンマイだね。
まぁいいんじゃない?最近2年全然気合入ってないみたいだったし、ちょうどいいでしょ。」

「それもそうだね〜。
じゃあ着替えに行こ!1対1したいし!」

「いいよ。今日も勝たせてもらうけどね。」


最近の2人のマイブームは1対1になっていた。
誠は10回やって6勝4敗。今の所一歩リードしている。

誠と希美の実力は2年の中でも特に高い。
部長、副部長候補にも挙がっていて、同学年や先輩にも信頼されている。



誠は意気揚々と更衣室へ向かい、希美とたわいもない話をしながら早々と着替えを済ませた。