「ごちそうさま、成海食べるの遅すぎ。」

「うぇーん、だってママいっつも多めに入れるんだもん!なる食べきれないよ〜。」


先程からこのやりとりを見て思った人もいるだろうが、成海は少し自己中心的な人間だ。
上に姉と兄が1人ずついて、末っ子として甘やかされてきた悪い例なのである。

末っ子として甘やかされたとしてもしっかりした良い例もあるのだが、成海は残念ながらそれに値しない。

自分のやりたいことは何が何でも成し遂げたい、というタイプである。
そんな成海に痺れを切らして嫌いになる人はそう少なくは無い。

現にこのクラスでもここまで一緒にいるのは誠ぐらいだ。


「まぁ頑張れ。私ちょっと職員室行かないといけないから行ってくるね。」

「そうなの?いってらっしゃい!」



しかし聞き分けは良い。
一度こうしろと言われれば守るタイプなのだが、それを知るまでが長いので皆離れていくのである。


誠はそんな成海に少しばかり感心しながらも、教室を出て職員室へ向かった。