『おはよう。今日も部活頑張って。』
『おやすみ。また明日。』
頭が真っ白になったあげく、衝撃的な言葉を口にした駅での出来事から数日。
その後連絡先を交換したはいいものの、毎朝毎晩送られるメッセージに誠は動揺を隠せないでいた。
しかし、
『俺のことなんて優先順位の最後でいい。』
そう言われたせいもあってか、部活と勉強には差し支えのない生活を送れている。
成海には秘密にしておこうとは思ったが、ついには問い詰められて、渋々ではあるが全てを話してしまった。
「きゃーーーっ!ついにまこちゃんにも彼氏ができたんだね!なるまで嬉しい〜!
ね、ね、デートとかしないの!?」
「するわけないでしょ。相手受験生だよ?
私だって暇じゃないし。」
「せっかく恋人同士になったのにデートしないの!?もったいないよ!
あ!!ダブルデートなんてどう?なる達と!」
「あーもううるさいうるさい。テストも近いんだからそんなことしてる場合じゃないの。」
「なる、翔里先輩と話したことないから話してみたいの!ねーまこちゃんお願い〜!会わせてよう〜!」
「私なんてほっといて勝手に会ってればいいでしょ。」
「むぅ〜…。」
白い頬を膨らませ、部活へと向かった誠の背を見送り、成海は小さく呟いた。
「三角関係とか、悪くないなあ…。
昇李と翔里に取り合われるのもいいかも。
あの様子じゃすぐ別れそうだし、近々奪っちゃおっかな〜?
待っててね、翔里先輩?」