「今日はお疲れ様!明日は2戦目だから今日は帰って早く寝ること!それじゃ解散!」

「おつかれ〜!」

「また明日頑張ろうねー!」

「ばいばーい!」



『お疲れ様でした!』と1、2年で3年生の姿が消えるまで見送り、誠と希美は残ったメンバーに召集をかけた。


「ごめん!みんな集まってくれない?」

「どーしたの?」

「ちょっと、今後の話。」



不思議そうな表情を浮かべるメンバーを円状に集め、希美はゆっくりと口を開いた。


「…まず、今朝のことだけど。倉田さん、女バスでやる気ある?」

「……。」

「ほんっと正直だね。今日そんなに早く帰りたかったの?」


希美の怒りが頂点に達しそうなのを察した部員達は黙って聞くことしかできず、誠達を包む空気は黒く重いものだった。



「先輩がいないから遠慮なしに言わせてもらうけど…そんなにやりたくないなら辞めてくれないかな?」

「ちょ、希美それは…。」

「え、辞めていいんですかー?人手足りないんじゃないんですか?」



誠の制止も虚しく、揚げ足をとるように真澄が希美の怒りのゲージを着々と上げていく。


「あんたが他のマネの邪魔して足引っ張るより、辞めて他の子が頑張ってくれた方がマシなの。」

「ふぅん…。ま、私は辞めてもぜーんぜんいいんですよ?ただ、これだけ部員がいてマネが2人の状態で回せるんですか?」

「それはっ…。」

「無理ですよね?じゃ、私これで失礼しまーす。」


そう言い残し、真澄はスマホを弄りながら駅へと歩いて行った。


「なによあの態度〜!!」

「…えっと、希美が言いたいのは、先輩といられるのもあと少しだから、これからのチームについてみんなで考えたいってことなんだ。」

「それ!それが言いたかったの!なのにあの子のせいでこんな空気に…。」

「まぁてなわけで、各自これからについてちょっと考えてみてね。じゃあ解散!」


最終的には誠の一言で解散し、それぞれの帰路に着いた。