「まこちゃんは何で彼氏作らないの?モテないわけじゃないんでしょ〜?
こないだだって、男バスの体験入部に来た子みんなまこちゃん目当てだったじゃん。」

「…別に彼氏なんていなくても生きていけるでしょ。」



誠が彼氏を作らないのにはちょっとした理由があった。

誠は、中学時代に2人彼氏がいた。
1人は中1の時、もう1人は中3の時。

中1の時は初めての彼氏で、小学校からずっと仲の良かった男の子だった。
仲が良かった分、いざ恋人になると話せなくなってしまい自然消滅。
そこからは心機一転バスケに全力で取り組み、県大会まで出場した。

中3の時は受験の時期だった。
部活を引退して毎日塾へ通って、この高校へ通うべく必死に勉強していたある日、クラスで人気のある明るい男の子に興味を持たれ、かなりアピールされて仕方なく付き合ったはいいものの、全く進展のない誠に飽きたのか、別れたその日に別の女の子と付き合ったという。



中学生だったということもあるが、恋愛してもしていなくても誠に何ら変化は起きなかった。

このことを成海に話すと、

『はぁ〜?そんなことで恋愛諦めてるの?
メンタルもろすぎだよー。
なるなんて、中学の時彼氏に二股されてたし、なるも別れたその日に別の人と付き合ったこと2回ぐらいあるよ?』


と、誠からすると全く普通とは呼べない返答で返されてしまった。