放課後になり、大好きな部活の時間。
今週末に迫る大会に向け練習は過酷さを増し、ひたすらに試合形式の練習を繰り返すばかり。
バスケは楽しいが、かなり過酷なスポーツだと思う。
点を決めれば喜ぶ暇もなく守備態勢に入り、走りに走って体力は底をつく。
何度も挫折しそうだった。
だが、それでも大好きなスポーツはバスケだった。
成海の質問に『友達』と答え続けるのも、友達がいなければバスケができないから、という理由なのかもしれない。
自分の大好きなバスケだからこそ、最後は笑って終わりたいのだ。
先輩に悔し涙など流させてたまるか。
「はぁ…はぁ…っ誠、次だよ。」
「おつかれ希美、行ってくる。」
「ん、行ってら。」
希美とは別のチームで3年生と3分のミニゲーム。
このチームはどの学年もレベルが高いため、誰と組んでも連携はばっちりだ。
気づけば告白されたことなんて忘れていて、頭の中はバスケでいっぱいだった。
___あぁ、最高の気分だ。
誠はこの時間が永遠に続けばいいと思った。

