「まじでありえない!あーイライラするぅ!」
「あれはないよねぇ。私もびっくりしたよ。」
外周とミーティングを終え、希美の自転車を取りに学校の駐輪場へ向かっていた。
着替えている時から今の今まで、希美の口は閉じることなく愚痴ばかりが零れる。
「ほんと、いつになったら理解してくれんの!?いっそやめてほしいんだけど!」
「それは言い過ぎ。現状、女バスのマネ足りてないしやめさせるわけにはいかないよ。」
「そうだけど!…だってみんな男子の部活に取られるんだもん!」
「まぁ、そうだねー…。」
いつからか、貴重なマネージャーという存在が男子の部活に流れてしまっていた。
漫画やアニメ、ドラマの影響なのかもしれないが、男子に囲まれて仕事をするのはどうやら一部の女子の密かな憧れらしい。
誠や希美にとっては、マネをするくらいならプレーした方が楽しいのでプレイヤーの道を選んだが、マネになっても仕事はきちんとするべきだと思うし、仕事をこなすマネは本当に凄いとも思う。
「大体、男子に囲まれても仕事できなきゃ意味ないし!告白されるとか滅多に無いし!」
「はいはいそこまで。ってか、駅着いちゃったし、ここでバイバイだね。」
「もう駅か〜。誠と話してるとすぐ着いちゃうなぁ。また明日話そ!」
「そだね、気をつけて帰って。」
「うん!じゃね!」
希美がいるから頑張れるのだと思う。
希美がいなければ、きっとここまで上手くなれなかったし、すぐに諦めてやめていたかもしれない。と誠はしみじみ思う。
友情は堅い。しかし、時に脆い。
余程のことがない限り、堅く結ばれた友情という名の糸は解けない。
では、切ってしまったら?
もしくは、切られてしまったら…?
相手の糸がまた違う誰かの糸と繋がって、自分では手繰り寄せることができなくなって、いつしかもう結べなくなってしまったら___。
もう一度結ぶ方法を、誠は知らない。

